INTRODUCTION

戦時中チェコのテレジン収容所で55回も上演され、人々の希望の光となった「ブルンジバール」。
2000年日本初演を果たしたボニ・プエリが、その後も歌いつぎ、伝え続けています。
今こそ背景を知っていただきたい、平和への願いを込めて…。

よみがえる希望の光、感動の舞台を再び!
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よみがえる希望の光、感動の舞台を再び!
2000年、ボニ・プエリによって初演された「ブルンジバール」。こんなにも楽しく、そして素晴らしい作品の背景に、悲しい歴史がありました。
ドキュメンタリー番組や教育ビデオにもなったこの作品。その後、ボニ・プエリはこの作品を日本のみならず、海外でも上演し、今は彼らの大切なレパートリーのひとつとなっています。
2016年は、この作品の深い背景を学び、その音楽の素晴らしさと平和の尊さを伝えたいと思います。
about “brundibár”
子どもたちのオペラ
“ブルンジバール”について

このオペラは、プラハで活躍し、ユダヤ人ということだけで1942年テレジンの収容所に送られ、その後アウシュビッツで非業の死を遂げた作曲家ハンス・クラーサの作品です。『ブルンジバール』は彼が拘束される前、自由な身であった時の最後の作品で、収容所内でなんと55回も上演されたといいます。2000年12月、チェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”による日本初演は、歴史的背景を越えて、勧善懲悪のストーリーと純粋で美しい音楽、高い芸術的水準のメルヘンオペラとして多くの感動を呼びました。またチェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”の演技力がさらにその作品を際立たせるものとなりました。

その後の来日公演においても、学校やコンサートホールにおいて度々上演し、その背景についても伝え続けてきました。またこれは日本での上演のみならずチェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”のレパートリーとなり、チェコ国内、海外においても数多く上演されています。
今回はその音楽の素晴らしさと背景を知っていただくことで、平和の尊さ、音楽の素晴らしさを多くの方に知っていただきたいことから、コンサート形式とレクチャーによって構成しています。

*チェコ・プラハの郊外にある第二次大戦中の収容所

子どもたちのオペラ “ブルンジバール”について
子どもたちのオペラ “ブルンジバール”STORY
“brundibár” story
子どもたちのオペラ
“ブルンジバール”STORY

ペピーチェクとアニンカ兄妹のお母さんは、病気で寝込んでいました。医者からはミルクを飲んで栄養をつけるようにといわれますが、ミルクを買うお金がありません。手回しオルガン弾き「ブルンジバール」をみて、二人は歌ってお金を稼ぐことを思いつきます。しかし、広場で歌いはじめると警官や意地の悪い「ブルンジバール」に追い返されてしまいます。途方に暮れる二人はベンチで寝込んでしまいます。

そこへ犬、猫、雀がやってきて手助けをしようといいます。翌朝、近所の子どもたちにも応援を求め、みんなで子守歌を歌い、感動した通行人からお金を得ることができました。ブルンジバールにお金を取られそうになりますが、すぐに彼は捕まえられ、子どもたちは勝利の歌を歌います。

チェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”プロフィール
Czech Boys Choir "BONI PUERI"
チェコ少年合唱団ボニ・プエリプロフィール
チェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”はチェコの東ボヘミア地方の中心都市フラデツ・クラロヴェを本拠地とする少年合唱団。合唱団には、4歳から23歳までの青少年約350名が所属していて、編成は変声期前の少年がソプラノ、アルト、20歳前後の青年がテノール、バスを受け持ち、いわゆる少年のみで構成される少年合唱団とは違い、清らかな少年の声と合わせ、青年による低音部が加わることにより、厚みのある広がり豊かな音楽を創りだしている。2006年よりボニ・プエリ音楽学校がチェコ文化省より教育機関として認可され、さらに幅広い、音楽活動、教育活動を行っている。
海外からも数多く招かれ、コンサートツアーと共にプラハの春をはじめとした多くの国際フェスティバルにも出演している。合唱団はホセ・カレーラスやボビー・マクファーリンを含む著名なアーティスト、または世界中の著名なアンサンブルやオーケストラと共演。2000年12月に初来日。チェコの音楽文化の伝統を受け継いだ合唱団でありながら、洗練されショーアップされたステージと、心からの音楽を楽しむ姿勢に多くの聴衆が魅了された。
同時に、子どもたちのオペラ「ブルンジバール」の日本初演を果たし、マスコミでも大きく取り上げられた。またこのオペラに取り組む様子と
日本初演がテレビ番組でも取り上げられ、初来日ながら各方面で多くの注目を浴びた。CDも既に 20枚以上リリースしており、2003年カンヌ・クラシカル賞受賞。2002年スプラフォンプラチナ賞受賞。2005年秋にはキングレコードより2枚のCDをリリース。
2011年3月には、フラデツ・クラロヴェの教会で東日本大震災復興のためのチャリティーコンサートを行い、その義援金は2010年の日本ツアーで交流した、宮城県多賀城市の学校と子どもたちのために寄付を行い、2013年の公演では再度多賀城を訪問し、交流、コンサートを行った。今回は3年ぶり7回目の来日となり、さらなる活躍が期待されている。
指揮者:パヴェル・ホラーク Pavel Horák
conductor: Pavel Horák
指揮者:パヴェル・ホラーク Pavel Horák

1987年以来「チェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”」の合唱指導者を務め、1991年よりこの合唱団の指揮者に就任。1996年からは単身でこの合唱団の指導・指揮にあたっている。これまでに合唱団と共に国内はもとよりアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本等への演奏旅行を行い、大変高い評価を受けた。

また彼は、指揮者として精力的に活躍し、作曲家やその作品についての研究も行っている。さらにカレル大学博士号を取得し、カレル大学、フラデツ・クラロヴェ大学にて教鞭もとっている。

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